第142回テーマ

学会主宰より前口上

生活様式学会へようこそ。
諸君は海とかプールで海パン(トランクス型)をはく際、
腰のところのヒモをいかなる具合に結んでいるだろうか。
別にどう結んだって誰からも文句は言われないくらい世間の関心は低い、
低いからこそ、そこが知りたい。

報告一

卑し触覚始めました。

先っちょを長く垂らして美女情報を感知せよ

 海パンのヒモは、蝶結びの輪っかを内側に収め、先端をなるべく長く外に垂らすのがよい。こうすると、ヒモが昆虫の触覚と同様の機能を持ち、ビーチ中の全セクシー女性を敏感に察知することが可能となるのだ。冷やし中華と同様、これはもはや夏の風物詩である。


報告二

わむすびしばりんカテナチオ

ポロリ防止に燃える男のヒモ二重ロック方式

 普通の蝶結びだけでは、何かの拍子にヒモがほどけて水着の中身がポロリとなる不安がどうしても拭いきれません。うーん、心配ですね。でも、蝶結びの仕上げに輪と輪を一回結んでやれば、めったなことではほどけないから安心。窓にも股にも二重ロックが肝心。

報告三

ひと夏のリアル・バタフライ

輪を2対作成することで本当の蝶結びを実現

 蝶は本来、前翅2枚+後翅2枚、計4枚の翅を持つ昆虫である。即ち、翅に見立てたヒモの輪が一対しかないのでは正しい蝶結びとは言えない。従来の蝶結びを繰り返し、輪を4つ作って初めて本当の意味での蝶結びが完成するのである。勿論、泳ぐときはバタフライに限る。

報告四

渚のミツワのクローバー

輪を3つにしてかわいい植物の形態を真似ろ

 ノーマルな蝶結びでは女性への訴求力に欠ける、と嘆く男子陣にお勧めなのが、蝶結びにしたヒモの両端を一つにまとめるスタイル。輪が3つになった様子が、3枚の小葉が一つの柄についたクローバーみたいで、「あ、カワイイ!」と女子が摘みに来てくれる可能性大。
 

報告五

ペットボトラーズ・サマー2003

夏のビーチで必須の三大メリットを我が股に

 だまされたと思って、ペットボトルを海パンのヒモで縛って股間に固定してみましょう。炎天下の水分補給と、溺れた際の浮き輪機能と、そして他人の目を釘付けにする圧倒的なカッコよさ。真夏のビーチライフで必要となる三大メリットは貴方のものです。祝福。

報告六

マゾヒストの珍癖

股間に見えない飾りをつける禁断の肉棒自縛

 人々が楽しそうに行き交う砂浜で、何の変哲もない海パン姿を装いながら、一人秘められた自虐の愉悦にその身をよじらせたくはないかい。よじらせたいだろ。ならば、水着の中にヒモを垂らし、自分の分身を縛ることだ。ヒモは股間の首元を飾る禁断のネックレス。

報告七

ホルターネック・オム

ヒモを首の後ろで縛り憧れのセクシー水着に

 男だってホルターネックのSEXY水着を着たいんだ! そんな情熱を抑えきれなくなったら、迷わずこれ。海パンのヒモを上に引っ張り、首の後ろで縛ればOK。ヒモが乳首に当たるよう微調整することと、前屈み姿勢にならないよう長いヒモに替えておくのがポイント。

報告八

納涼!股間一人祭

ヒモで水着をたくし上げて股間を祭り上げろ

 夏といえば、祭だワッショイ! 祭といえば、たくし上げだワッショイ! 中にヒモを垂らしたら、スソから前に出すんだワッショイ!あとはぎゅぅっと引っ張って、元のヒモに結ぶんだワッショイ! 股間をもっこり強調したら、そろそろソレソレ、一人祭の始まりだぁ!

学会主宰より総括

 恋も友情も尊敬も、何かあるものに対する共通の憎悪ほど人々を固く結びつけない−−とはチェホフの言であるが、まあ、憎悪するほど固く海パンのヒモを結ぶことはあまりオススメしません。脱げなくなります。倦怠期の恋人同士のようにゆるゆるなのもアレだけど。さて、総括である。

 報告一卑し触覚始めました。はあまり見かけたことがない気もしないではない夏の風物詩だが、いずれにしろセクシー女性に対する卑しき触覚は最初からパンツの中に収まっているのでは?

 報告二わむすびしばりんカテナチオは、そんなに心配なら本場のカテナチオを実現すべく貞操帯を着用してはいかが。

 報告三ひと夏のリアル・バタフライはなかなか学究的だが、蝶は春の生き物。ひと夏の蝶々は少々もの悲しい。

 報告四渚のミツワのクローバーは四つ葉の方がはるかに人気を呼んじゃうのは確実。

 報告五ペットボトラーズ・サマー2003は何かがまかり間違うとサマービーチで大流行しそうな気配も感じるのだが、恐らく勘違い。大流行したら少しでも大きいのを装着したくて2Lボトルとかをつけたりしそうな気もするが、それも違うかも。

 報告六マゾヒストの珍癖はとっても蠱惑的。でもやるとしたら密かにやりますよ、私は。

 報告七ホルターネック・オムは何というか、もはや別の種類の水着という印象ですが。

 報告八納涼! 股間一人祭はこれぞ男! しかも微妙に和風!この夏、一度は試してみたい気持ちの高ぶりを押さえきれない納涼スタイルと言えよう。

 というわけで今回の推奨スタイルは、一人でビーチで祭りに興じるのも真夏の昼の珍事って感じで悪くないじゃんという印象の納涼! 股間一人祭としたい。以上。

学会副宰よりあとがき

○卑し触覚始めました。 8
わむすびしばりんカテナチオ 5
ひと夏のリアル・バタフライ 2
渚のミツワのクローバー   2
ペットボトラーズ・サマー2001 0
マゾヒストの珍癖 1
ホルターネック・オム 0
納涼! 股間一人祭 0
その他 32

50人アンケートの結果。ヒモを外に出すか内に入れるか問題とヒモをどう縛るか問題が混在したせいか、その他が最大派閥に。
「マゾヒ〜」が一人いたことこそは今回最大の収穫だった。

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