〜第57回テーマ〜
■学会主宰より前口上 |
当学会へようこそ。諸君は消しゴムを使っていてだんだんと消しゴムがすり減ってきた頃、その消しゴムにはめられているあの紙製のケースをいかように遇しているだろうか。消しゴムは徐々に小さくなりやがて消えていくもの、一方、ケースは放っておけばまずその姿大きさは変わらぬもの。そこに消しゴムとケースが紡ぎ出すドラマがあるのだ。
■報告一 |
|
|
■報告二 |
|
|
■報告三 |
|
|
■報告四 |
|
|
■報告五 |
|
|
■報告六 |
|
|
■報告七 |
|
|
■報告八 |
|
|
■学会主宰より総括 |
ケースは消しゴムの一生を見守っている
弱き者よ、なんじの名は女−−とはシェークスピアの言だが、使われるほどにみずからの体をすり減らせていく消しゴムとは男性的なのか女性的なのか。はたまたケースは弱き者なのか強き者なのか。考えるだに悩ましいが、別段考えてくれなくても結構と当の消しゴムたちは思うことであろう。ここではそんな意も汲みつつ、各論説に論評を加えていくこととする。
報告1【スライド式しんぴんだMONO】は要するに見栄っぱりな言説か。消しゴムが極限にまでチビたときにはどのような行動を取るつもりだ。
報告2【皮をむく女】には正直、少々そそらされた。しかしこの女、新消しゴムを入手するたびにケースを最後まで一気にむいてしまいかねない。
報告3【折ってたたんでケッシケシ】は、報告2に続いてなおも皮に執着しているのが痛々しい。
報告4【めくるめく白き角バナナ】はさりげないようでいてインパクト充分。タコウィンナーという細かい芸も好印象だ。
報告5【全裸主義者のポイ捨て】はあまりにも、ああ、あまりにも非人道的ではないか。ケースに人格があると妄想した上での話ではあるが。
報告6【アイム・ケース!】ならマッチ箱型のケースなどが理想。
報告7【うっかりヘヴンはシースルー】だが、フィルムとケースをコンバートするなど邪道の極みである。
報告8【Dr.コミヤの永久消しゴム機関】については、小宮博士の孫娘が「やってみたことあるけど、くっつかないよ」というコメントを残していることを紹介しておく。
というわけで今回の推奨スタイルは、ケースの処遇にセコい技を盛り込むことで「見せるケース」というコンセプトを確立した【めくるめく白き角バナナ】としたい。以上。
■「学会うらばなし」 |
●報告8で言及されたロケットペンシル考案者・小宮清則博士は、実は主宰の義理の祖父にあたる存在である。
絵●龍野宏幸 研究ユニット●94年発足。生活上のグラマラスな題材について精力的but投げやりに探求中。精密なオマケが評判の卵型チョコ「キンダーサプライズ」の割り方を学会テーマに推した副宰。満を持しての提案だったが、主宰と事務員に強い冷笑を浴びてやむなく退散。光が化文化圏在住の限界をかみしめた。 |