第131回テーマ

学会主宰より前口上

生活様式学会2001へようこそ。諸君はtoto、やってますかー?
そして先の尖ったエンピツないし黒ボールペンでマークシート
を塗りつぶす際、いかなる塗り方をしているだろうか。よく考
えたら、totoだけじゃなく、ロト6などでも一緒でしたが!

報告一

縦棒を一本引くシンプルかつ高速なスタイル

秒描! 1ラインマーカー

 サッカーで最も大事なのはシンプルにプレーすること。ボールや
筆記具をこねくり回すようでは一流のサッカー選手やサッカーくじ
選手とは言えないのだ。それに、記入欄は十分細い。一本線を書き
下ろすスピーディーでシンプルな1タッチプレーで勝負に臨むべし。


報告二


枠線を書いてから中を潰すぬりえ風スタイル

りんかくんとヌリエちゃん

 シートのマーク記入例をよく見たまえ。長方形の記入欄全体をきれいに塗りつぶすのが正しいとわかるだろう。とすれば、まず長方形の輪郭を書いてから内側を塗り潰すぬりえ方式が最適。外枠があればはみ出しにくいし、枠を書くうちに心がワクワクしてくるのだ。

報告三


横棒を書いてから縦棒を書くガイドスタイル

初期型マークシーターtype I

 縦型マークシートの記入においては、まず2本の横棒、その後に縦棒を書くのが最も望ましい。横棒をガイド役に任命、主役たる縦棒の起点と結点を導くのである。この「I(大文字のアイ)の字マーク」こそは、共通一次試験導入の初期に高校の先生方が推奨した歴史ある手法。従え。

報告四


天才ドリブラーの出現を祈る折れ線スタイル

ZIGZAGサーティーン

 パサーには苦労しない日本サッカー界を見据えた真のサポーターならば、toto対象の13試合に対しては、個人で局面を打開できるドリブラーの出現を祈りながら、ジグザグに筆記具を運びたい。だって、スポーツ紙なんかだとジグザグ線がドリブルを表すんだもんっ。

報告五


ひいきチームの大量得点を願う点線スタイル

点と線と念

 いくら弱小チームだって、大量点が入れば勝てるんだから、記入欄には念入りに点を5個ぐらい書き入れて1本の線にするわけ。チームの勝利のためにはなんだってするのが人情。「そんなの単なるゲン担ぎじゃん」と言う人は、人間ってやつをテンでわかってないね。


報告六


ひいきチームの勝利を願う文字応援スタイル

ミニモジ。ウィンウィンぴょん

 競技場で「WIN」などと人文字を作って応援する人を「モージング娘。」と呼ぶけど、totoシートに極小の字で書き込んで応援する人は「ミニモジ。」と呼ぶんだって。可愛いな。「そんなの単なるゲン担ぎじゃん」と言う人は、人間ってやつをマジでわかってないね。

報告七


賞金1億円ゲットを夢見るスタンプスタイル

toto専用1円筆

 類は友を呼ぶ。この言い回しに素直に従うならば、お金の同類である1円玉に黒インクをつけて、スタンプを押すようにマークするのがベスト。こうすればついつい友だち思いな1億円が近寄ってくるはず。だまされたと思ってやれば、きっとtotoマシンもだませるはず。

報告八


人智を超えるバイオパワーに賭けるスタイル

トト虫のおくりもの

 totoを人間の力で当てるなんて無理。人智を超越した確率の世界には人智を超えた力、即ちトト虫を。紙魚と総称される虫を改良して糞を黒くし、シート上で飼えば、彼らがまき散らした糞がうまい具合に1等のマークに。ランダムシチャンスでムッシッシと笑おう!

学会主宰より総括

 貪欲は勤勉のムチである−−とはD・ヒュームの言であるが、そうそう、1億円を夢見ていろいろ勉強してますJリーグ。しかしスタジアムにわざわざ足運んで賭けた方が負けると、ガックリ度も倍増…。さて、総括である。

 報告一秒描! 1ラインマーカーはおそらく正統派。しかし1ラインだけというのはなんだかちょっと心許ない。線が細いとフィジカル的にも負けそうだし。

 報告二りんかくんとヌリエちゃんの几帳面ぶりは一目置くが、そこまでやらなくても大丈夫ですよと声をかけてあげたい雰囲気。

 報告三初期型マークシーターtype Iは古い、古すぎる。それは1979年のお話。21世紀のマークシートはもうちょっと性能があがっているので横棒などいらないことは明白。

 報告四ZIGZAGサーティーンはそんなにいつも同じようなドリブルばかりしなくてもいいんじゃないの三浦アツという意味において承伏できかねる。

 報告五点と線と念は、あとで得点力不足の試合を見てしまうと思いきりフラストレーションがたまりそうなところが心配だネン。

 報告六ミニモジ。ウィンウィンぴょんは勝利を願ってやまないその強欲さ溢れる情念が怖すぎるため支持しておいた方がよさげ。

 報告七toto専用1円筆は新しい。新しいが、1円で1億円を釣るという思想に言いしれようのないセコさをみた。

 報告八トト虫のおくりものは個性的。個性的だが、荒唐無稽かつ猟奇趣味的なのでムシしよう。

 というわけで今回の推奨スタイルは、もういつも全然当たらないのでとにかくオマエら勝てよという気持ちがあまりにも端的に表れすぎていて共感の涙すら誘ったミニモジ。ウィンウィンぴょんとしたい。以上。

学会副宰よりあとがき

●改めて言いたい。FIFAってバカ?
●あんな細い欄なのに、書き方もクソもねーじゃん、という批判は至極真っ当だ。が、それじゃ淋しいね。




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