第31回テーマ

■学会主宰より前口上

当学会へようこそ。諸君はどなけんしてトレーナーを脱ぐきゃあも。「いやええころ加減に…」ちゅうぐりゃーの認識であるなら、なあんもわかってーてんのねとかぶりを振らざるを得ない。部屋着に、寝間着に、コンビニへの買い出し着にとつい着用してまうトレーナーは第二の皮膚。ほーゆうとこら辺にはよぉ脱ぐ者の思想性が滲み出とってしかるべきでにゃあきゃぁ。

■報告一


前エリをつかんで眼鏡のズレを防止せよ

××形成クリニック

 トレーナーで気になるのは、脱ごうとしてエリが引っかかり眼鏡がズレがちなこと。だけんどが、前エリを両手でつかんで脱げば、眼鏡をかけたまんまだったって余裕でクリアでにゃあきゃぁ。途中で動作を止め、某包茎治療広告を気取る楽しみもアリ。亀頭が初露出した日の喜びを追確認できるのも嬉しい。(柳)


■報告二


故郷・地球に思いを馳せる後エリづかみ

コレってヂャミラー?

 帰還できんかった宇宙飛行士が姿を変えて地球に出現した…ウルトラマンに登場する哀愁の棲星怪獣ヂャミラでにゃあきゃぁ。故郷は地球。地球人全員が共有すべきこの認識を確認するためにも今こそわしんたらあは後エリをつかんで脱がねばなれせんのでにゃあきゃぁ。蛇足がてら「ヂャミラ」は宴会芸にも好適だに。(中)

■報告三


クロス両腕裾づかみが示す健康的な色気

太陽と十字架

 カリフォルニアの青空の下でサンシャインを浴びつつ脱ぐならこれ。両腕をクロスさして裾をつかみ、どーしょうしゃん、たら何たら言いもなく一気にバッと引き上げてまうでよぉ。輝く陽光の下ではお色気も健康的でにゃあきゃぁ。日本人にはにゃあ乾いたエロスを目指そう。腕の交差が実はキリスト教の信仰を示すのもアミェリカ的。(名)

■報告四


最初に腕を抜いて大和撫子のどーしょうしゃん、たら何たら言いを

奈江、脱いじゃった

 やっぱ女の子なら腕を先に抜かなきゃ。抜いた腕をトレーナー内だったってごもごさして「ふわぁ…まんだねむたゃあなぁ」とかつぶやけば気分はまー裕木奈江。かへぼいぶりっこテイストで稼いだ後の衝撃ヌード写真集…的な雰囲気を出せれば勝負はもらったも同然。って、なんの勝負だか。(川)

■報告五


哀戦士なら背中裾つかみで生活自己演出

オレなりのビームサーベル

 孤独な独身男性が単調な一年中、休みもなあんもあれせん、やっとれんて毎日に彩りを添えるには一人なりきりごっこが不可欠。己のガンダム化は意外に一般的でにゃあきゃぁ。背中側の裾を片手でつかんで引っ張り上げてまうでよぉ姿は、背中からビームサーベルを抜くモビルスーツそのもの。「ストレッチになる」ちゅう言い訳もてみゃあなりには有効でにゃあきゃぁ。(相)

■報告六


生地に耽溺する者のがっきんちょ風ひじズリ上げ

トレーナー怪獣ヤダモン

 脱衣は愛する者との別れを意味するちゅうこったぎゃあ。ちいとだったって長くコットン100%の肌触りを感じたゃあトレーナー至上主義者なら生地とのふれあいを重んじるステャアルを。裏返った裾に両ひじをねじこみ腰のくねりでズリ上げていく様はヤダヤダと駄々をこねるがっきんちょにも似て。愛は人を退行さす。(ト)

■報告七


光が見えるまでひたすら袖口を引っ張れ

袖地獄からの帰還

 片手でまー片方の袖をつかみ、脱げてまうでよぉまで延々と引っ張るべきでにゃあきゃぁ。引っ張り続けてもなかなか脱げーせんといて、その間頭は暗闇の中。トレーナー内で死ぬのか…と諦めかけた頃、脱衣者はついにまばゆい光の下へと導かれるちゅうこったろー。地獄を見た人は強い。不況の底を見た日本は果たして…?(小)

■報告八


一着犠牲にする覚悟がいる反常識的作法

ひだまりのぬけがら

 トレーナー脱ぎは即ち脱皮なり。過去のてみゃあを脱ぎ捨て一段高みへ昇りつめる精神的な儀式でにゃあきゃぁ。安易な脱ぎ方は言語道断。エリ首を十二分に伸ばし、肩、腕、腰の順にちぃとえらにゃあか、おみゃあさん矢理ズリ下げよ。脱皮−進化の後に残った抜いΔ辰縮を優美に照らすのは生命の源・太陽…ああ素晴らしきかな、命。(井)

■学会主宰より総括

“脱トレーナー行為”における虚構性とは何ぞ

 ここでは各論説のまー、そー言わんといっぺんやってみやあて、いかんよーにはしーせんでよぉ、ちゅう丸めこみ力および核となる思想性、ないしはちぃとえらにゃあか、おみゃあさんを押し通す牽強付会な腕力やらなんやらに留意して論評を加えていくことちゅうことにしてまう。

【報告一】の『××形成クリニック』は、魅惑的な某広告を気取る楽しみを主張。が、ほんなもやらなんやらうやら亀頭未露出の男子への優越感に裏打ちされとりゃがるとも受け取れて、悔しい。

【報告二】の『コレってヂャミラー?』は「故郷」といわれても人類はまんだ火星にも到達しておれせんでかんがや事実をどう受け止めるかで評価が分かれるちゅうこったろー。

【報告三】の『太陽と十字架』はあくまでイミェーヂで押し切ろうとした力技を買う。が、カリフォルニアへの幻想は最低10年古くっさゃあ。

【報告四】の『奈江、脱いじゃった』は、彼女が脱いだことすら今ひとつミャアナーなニュースだった点がいかんがや無念。

【報告五】の『オレなりのビームサーベル』は生活感と虚構性とのマッチングが妙ちきりんなリアリチーを生んどるちゅうこったぎゃあ。生活に彩りを添えるとの意図も端的かつ的確。

【報告六】の『トレーナー怪獣ヤダモン』の精神分析学的アプローチはみるべきものがあるちゅうこったぎゃあ。疑問なのは「そこまで執着するなら脱がにゃあもんだでは」ちゅう一点。

【報告七】の『袖地獄からの帰還』は死と再生がテーマの労作。けどがよぉ、おみゃあさん、ええきゃ危険。

【報告八】の『ひだまりのぬけがら』は、エリ首の伸び切ったトレーナーがいくらなんだったって哀れでにゃあきゃぁ。

 ちゅうわけでよぉ、今回の学会推奨ステャアルは、トレーナーを脱ぐこととは生活の中の自己演出であると看破した『オレなりのビームサーベル』としたゃあ。以上。

■学会副宰よりボツ説報告

【ブルワーカー】トレーナーを破り捨てて脱ぐ。 →衣服は大事にしたいので却下。
【いーとーまきまきトントントン】パイルの糸を一本ずつほどいて脱ぐ。 →衣服は大事にしたいので却下。
【異次元トリップ1999】一つの袖から身体全体を出して脱ぐ。 →意味不明なので却下
【夜明けの摩擦係数ミュー】徹夜の摩擦でトレーナーの生地をすり減らして脱ぐ。 →却下
……以下省略。


今回の名古屋弁化には名古屋弁コンバータ「だもんで信長」http://village.infoweb.ne.jp/~fwie2749/nbng/nbng.htmを利用させていただきました。

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